慢性前立腺炎

目次

■そもそも慢性前立腺炎とは?
■このような違和感はありませんか?
■慢性前立腺炎の主な症状
■慢性前立腺炎が起きる原因
■慢性前立腺炎の検査方法
■慢性前立腺炎の治療方法
■再発予防とセルフケア
■慢性前立腺炎のよくある質問


慢性前立腺炎は、男性特有の骨盤の痛みや違和感、排尿トラブルを中心とした症状が長期間続く疾患で、近年増えている「男性の生活の質を大きく下げる病気」のひとつです。特に20〜50代の男性に多く、ストレス社会による影響も指摘されています。

体のどこが悪いのか分かりづらく、病院で異常が見つからないのに痛みが続くことから不安になる方も多い疾患です。

■そもそも慢性前立腺炎とは?

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、精液の一部をつくる重要な器官です。尿道の始まりを取り囲む構造になっているため、前立腺の状態は排尿機能に大きく影響します。

前立腺炎には大きく「急性前立腺炎」と「慢性前立腺炎」があり、慢性前立腺炎は 3ヶ月以上症状が続くもの を指します。その多くは細菌が検出されない「非細菌性前立腺炎」、または「慢性骨盤痛症候群」と呼ばれるタイプです。痛み・違和感・排尿障害・性機能低下など幅広い症状が見られ、精神的負担が大きいのも特徴です。

■このような違和感はありませんか?

(ここに座り仕事で骨盤を気にする男性の写真を入れる)

慢性前立腺炎は、はっきりした痛みよりも「不快な違和感」から始まることが多い病気です。

✅長時間座っていると股のあたりが重い
✅会陰部(陰嚢と肛門の間)がジンジンする
✅お尻の奥がつっぱるような感覚
✅排尿のキレが悪い気がする
✅勃起や射精時に鈍い痛みがある

初期段階では、日によって症状の強さが変わることもあり、見逃しやすい傾向があります。進行すると痛みが持続し、集中力や生活の質が低下します。

■慢性前立腺炎の主な症状

慢性前立腺炎の症状は、「ここが痛い」と一点を指し示せないことが多く、じわじわと続く不快感として現れるのが特徴です。痛みそのものは命に関わるような激痛ではないことが多いものの、「ずっと気になる」「集中できない」「気持ちが落ち込む」といった形で生活の質を大きく下げてしまいます。

さらに、日によって症状の強さが変わることも少なくありません。「今日は少し楽だ」と感じる日もあれば、「何もしていないのに急に重くつらくなる」日もあり、その波が患者さんの不安を強くします。周囲から見えにくい症状であるため、理解されにくいという点も精神的な負担につながります。

・骨盤周囲の痛み・違和感

(ここに会陰部・下腹部・陰嚢周囲を色づけしたイラストを入れる)

もっとも多いのが、会陰部(陰嚢と肛門の間)や下腹部、陰嚢、肛門周囲、お尻の奥などに感じる重さや鈍い痛み です。「ジンジンする」「熱をもっているような感じ」「ゴムボールを押し込まれているような圧迫感」など、表現は人によってさまざまです。

長時間イスに座っていると症状が強くなり、立ち上がると少し楽になることもあります。デスクワークが中心の仕事、車の運転が多い仕事の方は特に負担を感じやすく、「座っているのがつらい」「仕事が手につかない」と相談される方も少なくありません。

・排尿に関する症状

慢性前立腺炎では、排尿のトラブル もよく見られます。

尿の勢いが弱くなったように感じたり、尿が細く長くダラダラと出るようになったりといった変化が代表的です。また、「すっきり出しきった感じがしない」「何度もトイレに行きたくなる」といった残尿感・頻尿も起こりやすくなります。

時には、トイレに入ってもなかなか尿意が高まらず、少量しか出ないこともあり、「前より排尿のリズムが乱れている」と感じる方が多いです。こうした排尿症状は、過活動膀胱や前立腺肥大など別の病気とも重なりうるため、きちんと検査して見極めることが大切です。

・性機能への影響・不安

慢性前立腺炎に悩む方の中には、性機能に関する悩み を抱えている方も多くいらっしゃいます。

代表的なのは、射精時に会陰部や陰茎の根元に「ズキン」とした痛みを感じる症状です。痛みが続くと、性行為や自慰そのものが怖くなり、性欲そのものが低下してしまうこともあります。

また、はっきりとした痛みがなくても、「勃起の持続時間が短くなった気がする」「以前ほど元気が出ない」といった不調を感じることもあり、これがさらに精神的な不安や自信の低下を招いてしまいます。

慢性前立腺炎とED(勃起機能の低下)はお互いに影響し合うこともあるため、恥ずかしさから我慢せず、きちんと医師に相談することが大切です。

■慢性前立腺炎が起きる原因

慢性前立腺炎の原因は一言で「これ」と言い切ることが難しく、複数の要因がからみ合っていると考えられています。そのため、原因をはっきりさせることよりも、「どういう背景や要素が重なって今の症状が出ているのか」を立体的に理解することが大切です。

まず、古くから知られているのは「細菌性前立腺炎」です。尿道から侵入した細菌が前立腺内にとどまり、軽い炎症を繰り返しながら慢性化していくパターンです。この場合、尿検査や前立腺マッサージ後の分泌液(EPS)などから細菌が検出されます。ただし、実際にはこのパターンは多くなく、慢性前立腺炎の多くは「非細菌性」である とされています。

非細菌性の慢性前立腺炎では、はっきりした感染がないにも関わらず、痛みや違和感、排尿症状が続きます。この背景には、骨盤底筋や周辺の筋肉が過度に緊張している状態が大きく関わっています。長時間の座位姿勢、猫背、デスクワークや車の運転、冷えなどが積み重なることで骨盤周囲の筋肉がこわばり、前立腺やその周囲の神経が刺激され続けると考えられています。

さらに、現代社会に特有の要因として「心理的ストレス」が挙げられます。仕事のプレッシャー、人間関係、将来への不安などが続くと、自律神経が乱れ、血流の悪化や筋肉緊張を引き起こします。これが骨盤周囲に集中した結果、慢性的な痛みとして感じられることがあります。「検査では大きな異常がないのに痛い」という状態は、まさにこうしたメカニズムの表れだと考えられています。

また、運動不足や睡眠不足、過度のアルコール・辛い食べ物・カフェイン摂取、喫煙なども、炎症や血流障害を通じて症状を悪化させる要素になります。冷えや同じ姿勢の長時間維持もよくないため、「生活全体のバランスが崩れたところに痛みが出てきた」と理解すると分かりやすいかもしれません。

■慢性前立腺炎の検査方法

慢性前立腺炎が疑われる場合、まず大切になるのが「丁寧な問診」です。いつ頃からどのような痛みが続いているのか、痛みが強くなるタイミング、排尿の変化、性機能の変化、仕事や生活スタイル、ストレスの有無など、かなり細かい部分まで聞き取られることが一般的です。問診は長く感じるかもしれませんが、ここで得られる情報が診断と治療の方向性を決定づける重要な材料になります。

続いて行われるのが、直腸診 と呼ばれる診察です。肛門から指を挿入し、前立腺の大きさや硬さ、押したときの痛みの有無などを直接確認します。前立腺肥大や腫瘍との違いを見分けるうえでも役立ちます。最初は抵抗を感じる検査かもしれませんが、短時間で終わり、診断には非常に重要です。

尿検査では、白血球や細菌の存在、血尿の有無などを確認します。必要に応じて、前立腺を軽くマッサージした後に出る分泌液や、その後の尿を検査し、前立腺由来の細菌や炎症の程度をより詳しく調べることもあります。

また、超音波検査(エコー)を用いて前立腺の大きさや形、内部の状態を確認することもあります。排尿機能の評価として、「尿流量測定」という検査を行い、実際の尿の勢いや排尿パターンを数値として可視化することもあります。

多くの場合、「命に関わる重大な病気が隠れていないか」を確認し、そのうえで慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群として診断されます。「重大な病気ではない」という確認も、安心して治療に取り組むための大切なステップです。

■慢性前立腺炎の治療方法

慢性前立腺炎の治療は、1つの薬や治療だけで劇的に改善するというよりも、「いくつかの方法を組み合わせて少しずつ症状を和らげていく」スタイルが基本です。症状のパターンや生活背景によって、治療内容が変わることも珍しくありません。

細菌の関与が疑われる場合には、まず抗生物質が一定期間処方されます。ただし、非細菌性のケースも多いため、すべての患者さんで長期の抗生物質が必要というわけではありません。その場合は、炎症や痛みを抑える薬、筋肉のこわばりを和らげる薬、自律神経のバランスを整える薬などが検討されます。

注目されているのが、骨盤底筋のリラクゼーションを目的とした理学療法 です。理学療法士や医師の指導のもと、骨盤周囲の筋肉を緩めるストレッチ、呼吸法、マッサージ、温熱療法などを組み合わせることで、筋肉の緊張がほぐれ、痛みが少しずつ和らいでいきます。自宅でもできるセルフストレッチを習うことで、治療効果を持続させることも可能です。

また、精神的ストレスの軽減も治療の大きな柱です。睡眠リズムを整え、適度な運動を取り入れ、仕事や家庭での負担を見直すことで、自律神経の状態が改善し、結果として痛みの悪循環が断ち切られることがあります。場合によっては、心療内科的なアプローチやカウンセリングが有効なこともあります。

重要なのは、「治療のゴールは症状ゼロだけでなく、日常生活の困りごとをどれくらい減らせるか」という視点を持つことです。医師と相談しながら、焦らず少しずつ改善を積み重ねていく姿勢が大切です。

■再発予防とセルフケア

慢性前立腺炎は一度治療しても、生活環境やストレスの状態によっては症状がぶり返すことがあります。そのため、「再発しにくい体と環境」をつくるためのセルフケアが非常に重要になります。

まず意識したいのは、長時間同じ姿勢で座り続けないこと です。デスクワークの方は、1時間に1回は立ち上がって軽く体を動かす、トイレに行く、ストレッチをするなど、骨盤周囲の血流を良くする工夫を取り入れましょう。クッションを工夫して座面の圧迫を減らすのも有効です。

運動習慣も欠かせません。激しいトレーニングである必要はなく、20〜30分程度のウォーキングや軽いジョギング、ストレッチを継続するだけでも、血流が改善され、自律神経のバランスも整いやすくなります。入浴も重要で、シャワーだけで済ませず、湯船につかって下半身をしっかり温めることで、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。

食事面では、アルコール、辛い物、カフェインなど刺激の強い飲食物を取り過ぎると症状が悪化することがあります。完全に禁止する必要はありませんが、自分の症状との関係を観察しながら、量や頻度を調整すると良いでしょう。水分を適度に摂り、便秘を防ぐことも骨盤周囲の負担軽減につながります。

そして何より大切なのは、「一人で抱え込まないこと」です。症状が落ち着いているときでも、定期的にかかりつけ医に相談し、不安や疑問を解消しながらセルフケアを続けていくことで、再発のリスクを下げ、安心して日常生活を送れるようになります。

■慢性前立腺炎のよくある質問

Q1. 慢性前立腺炎は完治しますか?

完全に症状がゼロになり、その後も全く再発しないケースもありますが、多くの場合は「うまく付き合いながら、症状をほとんど気にしないレベルまで抑える」というイメージに近いです。時間をかけて治療とセルフケアを続けることで、仕事や日常生活に支障なく過ごせる状態を目指します。

Q2. 性生活はしても大丈夫ですか?

基本的には、症状が許す範囲で性活動を行っても問題ありません。ただし、射精時の痛みが強い時期や、性行為のあとに症状が悪化する場合は、無理をせずペースを調整することが大切です。不安があれば、恥ずかしがらずに主治医に相談してください。

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